ChatGPTとは?
ChatGPTって何?
ChatGPT(チャットジーピーティー)は、高度なAI技術を使った「AIチャットサービス」です。
2022年11月に登場するやいなや世界中で大ブームを巻き起こしました。
用意された選択肢を選ぶことであらかじめ設定された文章を表示する「チャットボット」とは異なり、人間同士の自然な会話でやりとりができます。
現在では、ChatGPTで生成された文章なのか、人間が作った文章なのか見分けができないレベルです。
どんな会社が開発しているの?
ChatGPTは、OpenAIという非営利団体によって開発された人工知能(AI)です。
2015年12月11日、サム・アルトマン、イーロン・マスクらによってサンフランシスコで設立され、AIの安全性と透明性を推進し、人間に利益をもたらすことを目的として活動しています。CEOはサム・アルトマンです。
どんな風に使うの?
アプリのインストールや複雑な設定は不要です。
アカウントを作成し、ChatGPT のサイトにアクセスするだけで、誰でも無料 で使えます。
何か質問を入力すると、ChatGPTが回答してくれます。
以下は、「人前でうまく話すコツ」について質問してみた様子です。想像以上にしっかり答えてくれるのが分かると思います。
詳しくは「 ChatGPTの始め方・使い方 」の記事でご紹介しますので、まずは以下を読み進めてください。
データで見るChatGPTの凄さ
たった2ヶ月で、ユーザー数1億人
ChatGPTがリリースされた 2022年11月30日 からわずか5日でユーザー数が100万人を突破し、2ヶ月後にはユーザー数1億人を突破するなど、世界的に注目をあびました。
出典:Yahoo!finance
ChatGPTはこれまでのサービスと比較しても、TikTokの9ヶ月を抜いて最も短い期間でユーザー数1億人を達成しています。
AIスタートアップでトップの資金調達額
ChatGPTがリリースから2ヶ月弱の2023年01月には、MicrosoftがOpenAI に今後、数年で数十億ドルの出資をすることを発表し、話題になりました。
両社は以前からパートナーシップを結んでおり、2019年と2021年にも出資を受けています。
その結果、OpenAIは資金調達額でも他のAIスタートアップとは別格の存在となっています。
MicrosoftはOpenAI技術の自社製品との統合を続け、また、今後もOpenAIの独占的クラウドプロバイダーとしてAzureで支援するとしており、両社の関係性は今後もより強固なものとなっていきそうです。
Google「Code Red(非常事態)」宣言
ChatGPTの普及の速さやAIの精度の高さからGoogleの経営陣が事業に対する深刻な脅威への警戒を示して「コード・レッド」を宣言しました。
インターネット上のWebサイトのリストから答えを探す必要のあるGoogle検索に比べ、会話するように文章で答えを提供されるChatGPTの方が利便性は高いですよね。
20年以上にわたってインターネットへの主要な入口として機能してきたGoogleの検索エンジンが危機感を抱くのは当然のことと思われます。
短期間に爆発的なブームになった理由
一般人でも「無料」で使えるようになった
ChatGPTが登場する前は、OpenAIのテキスト生成を利用するにはAPIや複雑な設定が必要となり、一般人が手軽に使えるサービスではありませんでした。
AIモデルを開発するには大量のデータをAIに学習させて、時間と手間をかけてAIを賢くしていくプロセスが必要です。
例えるなら、骨からスープをとって麺を打ち、茹で時間にこだわった本格的なラーメンのイメージです。
一方、ChatGPTでは既にある程度のレベルまで賢くなった状態のものを一般人でも使えるようになっています。
従来のAIモデルを「本格的なラーメン」、ChatGPTを「カップラーメン」と例えると分かりやすいですね。
また日本においては、海外発信のサービスでありながら日本語でも利用できる点も大きかったと思います。
まとめると、今まで限られた一部の技術者しか使えなかったものが、ChatGPTの登場によって一般ユーザーでも気軽に使えるサービスになったことが爆発的なブームを巻き起こした要因と言えます。
画像生成AIがブームの火付け役
ChatGPTが登場したのは2022年末ですが、その半年ほど前から大きなブームとなっていたのが「画像生成AI」です。
2022年の夏に「Midjourney」や「Stable Diffusion」、そしてChatGPTと同じOpenAIが開発する「DALL・E2」など、一般の人が利用できる画像生成AIのサービスが続々と公開され、SNSで共有され話題を呼んでいました。
画像生成AIによって、「クリエイティブな分野で、AIが人間に負けないくらいのものが作り出せるようになってきた」ということが広く認知されるようになっていたことも、ChatGPTのようなテキスト生成AIがすんなり受け入れられた要因の一つと言えます。
ChatGPTって、何がすごいの?
抽出ではなく、生成できる
従来の言語系のAIは既存の情報から抽出する用途がメインでしたが、ChatGPTでは例えば「モテたい」といった少ない情報の質問であっても具体的な回答を生成することができるのが強みであり、実用面で期待されている部分です。
こちらの間違いを指摘できる
バージョンアップした現行のChatGPT(2023年04月現在)では、間違いを指摘することができるようになりました。
例えば「地球をおいしく食べる方法を教えてください」と質問してみましょう。
この問いでは「地球を食べることができる」という前提で質問されています。
古いバージョンのChatGPTでは、質問内容をそのまま鵜呑みにして何とかして回答しようとしてあり得ない文章が生成されていましたが、進化した現行バージョンでは質問の前提条件を否定することができ、より人との会話に近いものとなっています。
壁打ちして精度をあげることができる
何か質問をするとそれに対する答えを返してくれるのが「ChatGPT」の基本機能ですが、特筆すべきポイントは1往復だけでなく連続して会話ができることです。
1回目の質問に対する回答をさらに深堀りしたり、例え話を追加して言い回しを変更してもらったり、人と会話のラリーをするように満足のいく回答が得られるまで質問を繰り返し、回答の精度を高めることができます。
詳しくは「 ChatGPTの始め方・使い方 」の記事でご紹介しますので、まずは以下を読み進めてください。
AIの評価軸を変え、人間超えは秒読み
今までは質問と回答が一往復で終わっていたため、AIの能力はその一度きりの回答で判断されてきました。
そのため、「AIって所詮この程度」「AIにしては良くできた」といった人間の方が優れている前提の評価が多かったと思います。
ChatGPTの登場により、壁打ちするように連続した対話によって精度の高い回答を生成することができるようになると、AIが生成した回答に対する評価は「AIの能力」ではなく、「AIの使い手の能力」が問われるように評価軸が変化しました。
また、画像生成AIの分野においては人間を超えた優れたクリエイティブを発揮しており、今は人の手による手直しが必要な文章生成AIの分野も完璧に人を超える未来はそう遠く無いと予想できます。
ChatGPTの注意点は?
ファクトチェックは必須
ChatGPTは間違った回答をすることがあるため、必ず人の手で事実確認をする必要があります。
公式のヘルプやログイン後のトップページにも「制限事項」として「不正確な情報を生成する可能性がある」ことを記載されています。
現時点ではChatGPTだけで文章の完結することは難しく、ChatGPTで草案を生成し、人の手で構成やファクトチェックを行い仕上げていくといった使い方になります。
他人の権利を侵害する可能性がある
ChatGPTはインターネット上の情報をもとに学習しているため、誰かのブログの内容をそのまま回答として返す可能性が無いとは言えません。
その場合は知らず知らずのうちに他人の権利を侵害していることになりますので、やはり最後は人間の手でチェックが必要です。
個人情報や機密情報は入力しない
ChatGPTの公式サイトには「入力された情報はChatGPTの改善のために利用する」と明記されています。
むやみやたらに個人情報や機密情報を晒す事は危険な行為です。絶対にChatGPTに入力しないように注意してください。
もし、契約書などの雛形をChatGPTに作ってもらいたい場合は、会社名などは仮の名称を使って生成してもらい最後に人間の手で仮の名称を手直しすると良いでしょう。
よくある質問
まとめ
本記事では、全くの初心者でも「ChatGPT」の基本的な理解ができるように情報をギュっとまとめてご紹介しました。
AIによって特定のビジネスが無くなり、新たなビジネスが誕生するなど、私たちの私生活にも今後大きな変化が出てきます。
その避けることのできない変化の波にうまく乗るためにも、恐れることなく「AIの正しい知識」を身につけていくことが大切です。
特に子供には大人のサポートが必要だと思います。『うちのパパやママはAIに疎いから..』なんて事を言われないように頑張りましょう〜!
今回は以上です。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また別の記事でお会いしましょう。